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就業規則 自分で作成したい会社様へ【社労士によるサポート解説】

  • 2024年8月24日
  • 読了時間: 10分

更新日:5 日前

就業規則を自分で(自社で)作成する方法を解説した画像

就業規則を自社で作成したい会社様は非常に多いです。そのお気持ちはよくわかります。これだけ、多くの情報・ツールがあれば、できるだけ、「自分で作成したい」というのは通常の感覚だと私は考えています。


ただ、「同じ」自社で作成したいという会社様にも2パターンあると私は感じています。そこで、その2パターンに分けて自社で作成する方法をご解説しますので、自社で就業規則を作成したいと考えている全ての企業に役立つ内容になっています


1.就業規則を自分で(自社で)作成する2つのケース


前述の通り、同じく就業規則を自社で作成したいというケースであっても、2通りあると考えています。その2パターンとは、就業規則の必要性を感じていないケースと、逆に、重要性を感じているケースです。


両者では全く違うアプローチが必要です。御社がどちらかを見極めて必要な箇所をお読みください。


1-1.就業規則の必要性を感じていないケース:効率重視で作成したい


就業規則は従業員が10名以上になったら作成する義務が生じます。就業規則を作成する必要性は感じていないけど法的に作成しなければならない会社様が出てきます。このケースが多数派だと私は感じています。


1-1-1.現在、困っていることがないのに、労務リスクへの対応? !


実際に経営者の皆さんとお話をすると、「特に困っていることはない」と仰る方が非常に多いです。専門家は現在起きてもいないリスク(トラブルの事前防止)を強調しがちです。もちろん、労務リスクへの対応も大切です。今まで一度も社員と揉めたことがなくても、起きたときに備えて規則を整備しておいた方が良いこと間違いありませんが、経営者の側からしてみれば、それは、数あるリスクの一つに過ぎません。


それより、もっと深刻なリスクを抱えている経営者の方も多いでしょう。資金繰りで頭がいっぱいなのに、しかも、過去に一度も社員と揉めたことがないのに、専門家に「退職時のトラブル回避」などを強調されると冷めてしまう気持ちはわかります。


このような場合、費用の面も含めて効率性が最優先になるのは当然のことだと思います。その場合、以下のように作成すれば良いのではないでしょうか?


1-1-2.自分で(自社で)就業規則を作成する方法


■ 完全に無料で就業規則を作成したい場合

完全に無料で作成したいのなら、就業規則の雛型は厚生労働省がデータ(ワードファイル)で無料で提供してくれています。法律を中心としたものにはなりますが、解説もついています。初めて就業規則を作成する方にとっては参考になります。


更に、現在は、インターネット及び生成AIがあります。専門家でさえ、インターネットの情報で学んでいる人は多数います。インターネット上の情報は役に立たないなんてことはありません。また、生成AIも使用のスキルに大きく左右されますが、ソースを確認するなどして進めれば、確実に役立ちます。


厚労省の雛形及び解説を元に、インターネットの情報及び生成AIを活用し、自社に合った内容に変えていけば完全に無料で作成できます。


■ 多少は、就業規則に費用をかけても良い場合

多少、就業規則に費用をかけて良いのなら、市販の書籍を購入することをお勧めします。就業規則の雛形(CD-ROM)付きの書籍も多くあります。価格は1000円代から高くても1万円未満で、これらを活用すれば、コスト面で効率的な作成ができます。


これは、個人的な意見に過ぎませんが、あまり必要性を感じていない場合、効率よく進めたいでしょう。効率的に進めるなら書籍をいくつか購入して「ひな形」を揃え、書籍の解説部分を読みながら生成AIを活用して作成するのが良いと思います。


自社で全て作成すれば無料で効率が良いとお考えかもしれませんが、それは違います。社員が作成すれば、その間の賃金も発生しています現在、東京都では最低賃金でも1時間1200円を超えています。社員の時給には経費も上乗せされますので、結果的に、1時間時短できれば安い書籍1冊分程度になります。生成AIは時短の役に立ちますが、不備のない就業規則を作成するにはスキルを必要とします。書籍(雛形+解説)も活用した方が結果として安く出来上がると思われます。生成AIの答え合わせや質問の材料にも使えます。


もちろん、経営者がご自身で作成すれば賃金の支払いは不要ですが、経営者の時給単価は高いはずですから、費用対効果の観点から、書籍を複数買って進めた方が良いと思われます。短縮されたお時間を有益なことにお使いになってはいかがでしょうか?


1-2.重要性を感じているケース:重要だからこそ他人任せにしたくない


逆に、「就業規則の重要性を強く認識しているからこそ、自社で作成したい」というケースもあります。そのようなお気持ちは、本当によくわかります。


実は、当事務所はホームページを自分で作成から運用まで行っているのですが、まさに、そういう理由だからです。ホームページは、当事務所事務所にとって、お客様へのメッセージです。大変重要な存在だと位置づけておりますので、自分で作成・更新を行いたいのです。


就業規則は単なる書類ではなく、社員の権利(労働条件)と義務(働く上での規則)を決めるものです。重要性を感じている会社様にとっては、人任せにせず、自社で作成・変更したいという会社様のお気持ちは本当によくわかります。


このケースの場合は、完全に自社で作成するのではなく、作成後の就業規則を専門家にチェックをしてもらいたいという会社様が多いようです


確かに、就業規則のチェックの料金は数万円~10万円程度です。社員の皆様が作成しても経営者が作成しても人件費がかかっているわけですから、就業規則に重要性を感じているなら合理的な選択と言えるでしょう。


実際、当事務所でも「打合せ付きの就業規則のチェックサービス」を提供していますが、多くの企業様にご利用いただいております。以下のサービスです。



また、専門家選びについて、失敗しない確実な方法を以下のブログ記事でご紹介しています。ご参考にしてください。



■ 「重要だからこそ他人任せにしたくない」という場合、「自社作成+専門家のサポート」も選択肢にいれてはいかがでしょうか?


もし、就業規則の重要性を感じているからこそ自社で作成したいのなら、「就業規則作成後に、専門家にチェックしてもらう」という選択肢に加えて、「最初から専門家のサポートを受けつつ自社で作成する」という選択肢もご検討してはどうでしょうか?


■ 一部でも専門家のサポートを受けた方が、結果的に早く、安く、適切に進む理由

就業規則は社員の権利と義務を定めるものです。社員の義務(=規則)は、作成した経験がある人の方が少ないでしょう。社員にどのような義務を課すのか、どのようなルールにすれば会社の秩序を守れるのか、会社の方針をどのように反映させるのか。こうしたことを体系的に規則化する力は、通常の人事業務の中では身につきにくいものです。規則の作成を専門にしている専門家に任せた方が良いケースも少なくありません。また、社員の権利(労働条件)は法律の規制が多く複雑です。意外な落とし穴で就業規則を全面的に作り直しになるケースは少なくありません。


結果的に、一部でも専門家のサポート方が、早く安く、しかも、会社に合った内容になるケースがあるのです。具体例を挙げて解説します。


■ 具体例:年俸制規程

自社で年俸制規程を自社で作成した会社様から、就業規則のチェックのご依頼を受けました。就業規則のチェックを行う際に、当事務所では、会社の方針を伺うため打合せを行いますが、打ち合わせ中にご相談企業に年俸制は適していないことがわかりました。


  • 年俸制を導入すれば、残業代の支払いは不要になるので導入したい

  • 業績と賃金を連動させたい


このような目的から年俸制を導入しようとしていたのです。しかし、年俸制を導入しても、残業代の支払いは必要です。また、年俸制で業績と賃金を連動させることは可能ですが、ご相談企業様には「もっと良い選択肢」がありました。これでは年俸制を導入する意味がありません。そこで、他の制度を企業様はご選択されました。


ここまで話が及ぶと「就業規則のチェック」業務ではなくなります。自社で作成したいというお気持ちは依然としてお持ちでしたので、自社で作成していくことを当事務所がサポートしていくことになりました。最初から専門家のサポートを受けながら作成する方が、結果的に効率的で適切な就業規則を作成できるケースも多いです。


■ 「自社作成+専門家のサポート」の唯一の問題点(提供している事務所が少ない)

「専門家のサポートを受けつつ、お客様企業が自分で作成を進めるという形は非常にメリットが大きいです。

  1. 専門家へのアウトソーシングより、料金を抑えられます

  2. お客様企業が主導で進めることができます


メリットも大きく、需要の多いサービスなのですが、このサービスの唯一の問題点は提供している事務所が少ないことです。当事務所は就業規則特化の専門事務所です。あらゆる形態の進め方を既に経験していますので、このような形にも対応可能です。詳細は以下のページをご覧ください『「お客様企業が自社で作成+専門家のサポート」の料金ページ


2.生成AIを活用して自社で作成する場合


最近は、チャットGPT等の生成AIを活用して自社で就業規則を作成するケースが増えていて、ご相談を受けます。自社で生成AIを使って全面的に就業規則を作成する場合には、直接AIに作成方法を質問して進めるのが良いでしょう。


  • 生成AIを使って自社で就業規則を作成する方法を教えて下さい

  • 生成AIを使って自社で就業規則を作成する手順を教えて下さい

  • 生成AIで就業規則を作成する場合に避けるべきことは何ですか


このような質問を投げかけて、更に具体的な質問を生成AIにしながら進めれば、7~8割ぐらいは作成できるはずです。


■生成AIを使用する場合の注意点

私は、2023年3月頃から専門家の指導の下で生成AIを使い始めました。人事ポータルサイトで「AI時代における労務問題への対応実務」という連載も担当しています。生成AIを積極的に活用してきた専門家といって良いと思います。その立場から、1つ注意点をお伝えします。


当たり前の話ですが、生成AIはツールに過ぎません。ツールは使い方によって結果に差が出ます。質問の仕方を少し変えただけでも、返ってくる内容が全く違います。しかも、就業規則は、「賃金」「残業(代)」「労働時間・休日」「年次有給休暇」「解雇」「退職時の手続」など労使トラブルにつながるセンシティブな問題を扱います。


したがって、最終的には人間が内容の適否をチェックすることは必須です。また、AIでは埋まらない部分が出た場合にはご自身で調べつつ進めることも必要です。


実際、「生成AIで作成した就業規則のチェック」や「最後の埋まらない部分(2~3割の部分」について、当事務所はご相談を受けます。「就業規則を「AI+ひな型で」作成したけれど、不安が残る方へ【社労士対応】の記事をご覧ください。


いかがだったでしょうか?この記事では、自社で就業規則を作成する企業様にも2パターンあることから、場合分けして解説してまいりました。この記事がお役に立てたのなら幸いです。最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。


執筆者

フェスティナレンテ社会保険労務士事務所

代表・特定社会保険労務士 小嶋裕司


執筆者プロフィール

就業規則の関連業務に専門特化した特定社会保険労務士である。そのため、就業規則の作成・見直しを多様な形態で支援してきた実績を持つ。具体的には、就業規則作成の請負・代行、企業との協働による就業規則作成・見直し、及び、企業自身が作成する際のアドバイス、企業が作成した就業規則のチェック・レビュー。また、企業のプロジェクトメンバーとして社内制度の完全整備に参加するケースも多く、そうした企業の中には、のちに上場を果たした例もある。

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