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法改正による就業規則 見直しのポイント【社労士解説】

更新日:9月1日

当事務所は就業規則関連に特化した専門事務所です。事務所の業務の99%が就業規則関連業務です。しかも、初めて就業規則を作成すると言う企業はほとんどなく、就業規則の見直しが就業規則業務全体の9割弱を占めます。就業規則の見直し業務に専門特化していると言って良いと考えています。


そんな就業規則の(改定・見直しの)専門事務所ですので、あらゆる就業規則見直し業務を経験していますが、就業規則の変更は、主に以下の3パターンに分類されます。


(1)会社が新たな制度を設けるための就業規則の変更

(2)法改正に対応するための就業規則の変更

(3)就業規則と会社の実態のずれを解消するための変更


このページでは、全ての会社が経験する「法改正に対応するための就業規則の見直し」で重要なポイントに絞って解説します。


実態に即した就業規則への見直し

1. 近年、法改正が行われ、就業規則の見直しに影響した法律


まず、就業規則の見直しに影響を及ぼす労働法について考えてみたいと思います。実は、労働法と言っても様々な法律があります。1つの法律ではないのです


以下が、近年、法改正が行われ、就業規則(及び雇用契約書)の変更が必要になった法律の一例です。


・労働基準法

・民法

・労働契約法

・最低賃金法

・労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(パワーハラスメント防止措置の義務化)

・高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(派遣法)

・パートタイム・有期雇用労働法

・育児休業・介護休業法

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法


かなり多いですよね。民法は、労働法ではないですが、雇用の規定があります。近年、社員の退職時の申出について改正が行われましたので、就業規則への影響がありました。


また、法律だけではなく、省令、告示、通達もおさえておく必要があります。


しかも、労働法は働く上での法律ですので時代とともに頻繁に変わります。専門家でも法改正を抑えるのが大変なのですから、企業にとって非常に大変だと思います。


2. 法改正による就業規則の見直しの際に重要なこと


2-1.法令遵守と会社の事情の両立


以下で、法改正による就業規則の見直しで重要なことを解説させていただきますが、この記事では、労働時間、賃金、残業代といった労働条件に関する法改正に焦点を当てて解説します。


労働条件に関する法改正は、会社経営に直接影響を及ぼすため、多く会社が特に対応に苦慮すると思われるからです。


労働条件に関する法改正への対応で最も重要なのは、「法令遵守と会社の実情の両立」です。法律を守る必要があることは言うまでもありません。しかし、同時に会社の事情(人件費や人手不足など)も考慮しなければなりません。


会社の事情を無視した内容は非現実的です。仮に、就業規則を見直しても実行不可能なことが書いてあるようでは意味がありません。


就業規則は単に法律の内容を書き写すものではなく、法律という社会のルールを踏まえた上で、会社が実行可能な「対応策」を記載するものです。もちろん、検討の結果、法律のまとめを記載することになることは会社は多いかもしれませんが、それは、結果に過ぎません。


この「法令遵守と会社の実情の両立」に多くの企業が悩みを抱えていることと思います。以下で、具体的な事例を1つ取り上げ解説します。


■ 法令順守と会社の事情の両立の具体例


現在、法改正がなされ、時間外労働が60時間超の場合は、1.5で計算した割増賃金を支払う必要があります。


代替休暇などもありますが、これは、月60時間超えの時間外労働が発生している事業場での導入は現実的ではないと思われますん。もし、1.5で割増賃金を支払うことが難しいようであれば、時間外労働を減らすなどの対応が必要です。


当事務所にも、法改正を契機に、残業削減したいという会社様が多くお越しになりました。様々な事例をご紹介しつつ会社の事情に合わせた実行できそうな方法をご提案させいただきました。そして、その残業削減の仕組みを就業規則に記載し法改正への対応としました。


このように、法改正による就業規則の見直しとは、会社の法改正への対応策を書くのです。「時間外労働が60時間を超えたら1.5で支払う」と就業規則(賃金規程)に書けば済む問題ではありません。


2-2.法改正による就業規則の変更で重要なこと まとめ


法改正による就業規則の見直しは改正が多いため大変です。また、法令順守と会社の事情の両立を考えないといけないため難しい問題も生じるでしょう。


しかし、本当に難しい問題が生じるのは「何らかの課題を解決するため」に就業規則を見直す場合です。なぜなら、「法律」と「会社の事情」という制約の中、更に、会社が目的とする課題も同時に解決しなければならないからです。


例えば、先程の例で言えば、月60超えの割増賃金分の残業を削減するだけでなく、それを超えて会社の残業自体を大きく減らし生産性で評価していく賃金にしたいなどです。そうなると、更に専門性の高い話になります。


3. 就業規則は定期的に見直しをしましょう


3-1.就業規則は経営者が確認・チェックをしてください


法改正と言っても様々です。これだけの法改正が行われている以上、経営者が全てを抑えるのは現実的ではなく、担当者にまかせることが必要でしょう。


しかし、賃金や労働時間等の労働条件に関する法改正は経営者自身も抑えておく必要があります。経営に及ぼす法改正だからです。


また、就業規則の内容は経営者が把握しておくようにしてください。就業規則は社員の義務と権利(労働条件)を記載する会社と社員全体との契約書です。社員の労働条件を決めるのは経営者の大切な仕事の一つだと思いますが、いかがでしょうか?


3-2.長いこと、就業規則の見直しをしていないなら専門家に相談を!?


長いこと就業規則の見直しをしてこなかった場合は(特に、10年以上見直していない場合)には、専門家に相談をすることを強くお勧めします。法令順守と会社の事情の両立だけでも大変だからです。


もちろん、「就業規則は変更していないけど、法改正には万全に対応してきた」というのなら就業規則の見直しも簡単ですので、専門家は不要だと思います。


当事務所でも無料相談を行っております。基本的に、当事務所からご相談企業へご訪問させていただいています。お受けできる会社数に上限がありますが、1日 お時間には制限はありません。詳細は以下のページをご覧ください




執筆者

フェスティナレンテ社会保険労務士事務所

代表・特定社会保険労務士

小嶋裕司


執筆者プロフィール


就業規則、及びその関連業務で99%超の就業規則の専門社労士事務所(東京都大田区):

「設立30年以上の企業がクライアント企業の6割弱」「二代目・三代目社長の会社が5割超」のため、就業規則の見直し業務に特に強いのが特徴です※。法律と会社の事情を両立させる現実的な就業規則を整備します。


※ 就業規則は既にあるけれど、新たに生じた人事労務の課題に対して、「自社の就業規則では対応ができない」とお困りになり、お越しになるケースがほとんど(お客様の9割弱)です。




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