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労務相談 AI(チャットGPT)が進化した世界で 社会保険労務士は必要か?

更新日:3 時間前

AIの進化した世界での労務相談

AIがどんどん進化していますね。「チャットGPT4o」「Claude(クロード)」「Gemini(ジェミニ)」等々。「凄い進化だ」と思ったら、すぐに、更なる進化をしたりします。これからも、どんどん進化することでしょう。


最先端のAIツールで私が衝撃を受けたこと


私が衝撃を受けたのは、某AIの性能を試そうと、「聞きたい質問」をあえて遠回しに伝えて、「私が聞きたい本質は何だかわかりますか?」とAIに聞いたのです。


すると、「それは、明らかです。●●です」と、ほぼ、核心を突いた回答をしてきました。


人間同士だって誤解は生じます。思い込みで話を聴いてしまうこともあります。正確な思いは中々伝わらないものです。そう考えると、衝撃でした。


現在でも凄い進化をAIは遂げていますが、「更なる進化をA Iが遂げた社会で、専門家に労務相談をする意味があるのか?」について考えてみたいと思います。


以前に、「AIが進化した世界で就業規則を社会保険労務士に依頼する意味」という記事を書きましたが、このブログでは、労務相談について考えてみたいと思います。


この記事は、社会保険労務士(専門家)向けというより、「AIの時代に、お金を払ってまで社労士に労務相談をする必要があるのか?」と疑問に思っていらっしゃる経営者の方へ向けた記事となっています。



そもそも、労務相談とは何か?

AIに取って代わられるか否かの前に、労務相談とは何かを予め明確にしておく必要があります。労務相談と聞いて、人によってイメージするものが違っては、議論が始まらないからです。


労務相談とは、労務問題・労務トラブルに関する相談です。労務問題は、採用、休職・復職、賃金・労働時間・休日・休暇などの労働条件、残業(残業代)、退職金、働く上でのルール、退職・解雇時などあらゆる場面で生じます。


実際に、トラブルになっていることもあれば、トラブルを避けたいこともあるでしょうが、いずれにせよ、社員との間で生じる問題です。したがって、そもそも、社員を採用していない会社に労務問題は存在しません。


なお、労務相談と聞いて、労働法に関する法律相談をイメージする方もいるでしょう。それが労務相談かどうかの議論は置いておくとして、労働法に関する法律相談であっても、社員(労働者)の存在が前提になっていることに変わりありません。社員(労働者)がいない会社では労働法が登場することはないからです。


AIが発展した時代には、このような労務相談を専門家にする必要がなくなるのかについて考察してみたいと思います。


AI時代に労務相談を専門家にする必要性はあるのか?〜自社で完全対応可能?


実は、私は、最初、「いずれ、労務相談業務はなくなるのではないか?」と思っていました。一般的な考え方や知識を 最新のAI(チャットGPT4o等)との会話で仕入れ、あとは、自社の状況を考えて判断すればよいと思ったのです。


しかし、それは、大きな誤りだと思うようになりました。むしろ、実力のある労務問題の専門家の必要性は増す一方だと確信するようになりました。なぜなら、AIが進化した世界では、スマホを持っている人「全員」が最新のAIツールを無料で手にすることになるからです


これだけでは伝わらないと思いますので、詳しくご説明します。


「スマホを持った全ての人が最新のAIを手にした世界」が意味すること


最新のAIツールが無料で手に入ったら、会社(経営者・人事担当者)は間違いなく便利でしょう。しかし、社員の皆さんも同じで、最新のAIツールを無料で使用することができます。


先ほど述べた、労務問題の性質を考えてみて下さい。労務問題は社員の皆さんとの間で生じる問題(トラブル)なのです。


社員も、疑問や不審に思ったことは、最新のA Iに相談することになるでしょう。スマホに入れたAIのアプリで無料で聞けるのですから当然の流れです。そして、その上で会社に質問(反発)してくることになるはずです。


AIが進化すればするほど、今とは比較にならないほど、社員の皆さんの質問・疑問・反発は鋭く高度なものになるはずです。


しかし、その一方で、AIを使って会社が社員に回答しようとしても、現状では、その回答には誤りが含まれることがあります。そして、将来的にも、人事労務の問題のように複雑な分野は、それは避けられません。


なぜなら、AIに与える情報が1つでも抜け落ちていたり、質問のニュアンスが違うだけで、結果的に、真逆の回答(間違った回答)が返ってくることもあるからです。


会社が社員に対して「誤った解答」をするリスクは計りしれません。したがって、会社はどんどん高度になっていく社員の質問・疑問・反発に対して、誤った解答を避けるため、結局、今以上に、誰かに確認する必要が出てくるはずです。その場合、専門家に確認することになるのではないでしょうか?


AI 時代の労務相談 ~質問が高度化し、半端な知識では専門家と言えない時代に!?


AIの発達により起こることは、労務問題について、専門家の需要がなくなることではなく、お客様(クライアント企業)の質問がどんどん高度になるということだと思います。


これは、インターネットが出てきた時に近いでしょう。インターネットが発達した現在、検索すればわかる程度の知見では専門家としての役割を果たせなくなっています。それが、さらに一段階レベルアップするということではないでしょうか?


「最先端のAIにすら対応不可能な内容だ」というレベルが専門家としての条件になると思われます。


例えば、AIがはじき出した回答の「良い点」と「誤り」を指摘し、なぜ、その様な誤った回答をAIがしたのかということを、クライアント企業の事情に合わせて、解説できるレベルが求められる時代になると思われます。


なぜなら、AIの回答の誤りを指摘する以上、説得力のある理由がなければ、会社は、専門家の意見を信用できるはずがないからです


この記事のタイトルは、「労務相談 AIが進化した世界で 社会保険労務士は必要か?」となっておりますが、今後は、「誰に(個人名)」が重要な時代になってくると思われます。


そもそも、人事労務の問題は、人が働く上で必要になる問題です。「全ての場面」「全てのケース」において、法律などがあるわけではありません。人の解釈・判断が入ります。その場合、どれだけ深く多様な経験をしているかが重要です。


したがって、本来、誰に相談しても同じ結果になることはあり得ない分野なのです。それが、AIの発達により、加速するということだと思います。


当事務所は、就業規則の整備による、人事労務の問題解決に専門特化した事務所です。開業以来15年以上ずっと業務全体の99%を超えます。


したがって、他の業務に関しては、見解を述べる立場にいないため、私の専門業務である労務問題について書かせていただきました。


なお、当社会保険労務士事務所では、AI時代には就業規則・雇用契約書の整備なくして労務問題には対応できなくなったと考えています。「労務相談を社会保険労務士に依頼する前に検討すべきこと」ページをご覧ください。


最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。


執筆者

特定社会保険労務士 小嶋裕司


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